2017年1月21日土曜日

VA-11 Hall-Aのシナリオ担当

VA-11 Hall-Aのシナリオ、プログラム、ゲームデザイン(こちらはキリリン51と共同)を行ったのが、フェルナンド ”アイロニックラーク” ダマスだ。


DANGEMU(後のSukeban Games)時代より、一貫してシナリオとプログラムを担当している。幾つかの小規模な作品を作った後、本格的に作成を試みたのが、Davil's Journal Tony-Tだ。
ゲームとしては選択式で7人のメインキャラクターが登場し、30のエンディングを持ち、大学生のアントニオ ”トニー” アルベルティーノが、惚れたシーラ(ジルの壁紙ナノカーモにも登場する)は、とんでもないヤンデレだったというホラーノベルゲームだった。デモ版は現在もダウンロードして遊ぶことが出来る。
タイトル画面

Tony-Tでのダナ(チュートリアルで登場する)

ゲーム画面 シーラとグロリア(主人公の幼馴染)
今では完全に一本道(選択肢も無いヤツ)でも珍しくは無いノベルゲームだが、当時はまだ一般的には分岐があるモノだった。まぁノベルを作ったら大体一度は通る道なのだろうが、シナリオが破綻して…Davil's Journal Tony-Tは凍結された。

この後、規模を反省して作られたのが、VA-11 Hall-A ProtoType(正式には発表された当時にはProtoTypeとは付いていなかったらしい)だ。itch.ioのCyberpunk Jam2014に出品され、260作品中、23位となった。

元々、名無しの男性バーテンダーが主人公だった。プロローグまでは男性のバーテンダーが主人公だったのだが、プレイヤーが男性、女性を選べるようにしたい…が、バーテンダーもキャラ付けしたい…という結果、ジルが誕生した…らしい。実はこの辺が未だに良く分かっていない。少なくとも、プロローグの時点では男性バーテンダーだった。
少なくとも2014年の本編製作開始の段階では主人公はジルとなり、男性バーテンダーは新たにギリアンとして別なキャラクターとなった。

商業作品にしたいという事でYsbrydと契約を行った結果、ゲームエンジンがRen'PyからGameMaker Studioに変更となり、アイロニックラークはシナリオを書きつつ、新しいゲームエンジンと格闘する事となった。この辺、本当に洒落にならなかったらしい。
現在の仕様には2014年時点で到達していたが、大量のバージョン違いがあるのはそれだけ開発が大変だったからなのだろう。ちなみにメディアを見ると、2016年4月のバージョンと発売されたバージョンでもインターフェイスが違う。2015年のバージョンでは会話中にジルの顔が小さく表示されるのも存在する。
PAX Prime 2015のインタビュー(答えているのはガロード)20秒ぐらいがそのバージョン
ちなみに2分ぐらいで登場するセイの顔がかなり違う

シナリオの全体構造としてはかなりスタンダードだが、他の作品と完全に異なるのは、異常なレイヤーの数である。異常な情報量と、一回通して読んだだけでは把握するのは困難な半端ないレイヤー数だ。

恐らくアイロニックラークは相当な記憶力を持ち、様々な英語圏のメディア(映像、音楽、ネット等)を膨大に吸収し、それをVA-11 Hall-Aで狂気に近い細かいモザイクとしてシナリオに組み込んだ。読んだら疲れた気がするのも当たり前と言う物だ。

なので、このゲームもTony-Tの様に破綻しても不思議では無かったのかも知れないが、超人的努力を重ね、崩壊を防いだ。思うのだが、ネイティブが読むのと、そうでは無い人間が読むのと印象はかなり違うのでは無いだろうか?余りの情報量に窒息しそうな気がするのは気のせいでは無いと思う。

私の文章力では…まぁ上手く伝えられないが、言いたいのは原文で読む価値は十分にあるという事だ。

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